1. 電子本とは何でしょう？
2. 電子本の種類

• エキスパンドブック（ebk）
• T-Time専用ファイル（ttz）
• アクロバットファイル（pdf）
• NewtonBook（pkg）
• ローロピクト（rop）

電子本とは何でしょう？

▼ ■ ▲

（画面例：T-Timeによる電子本）

　電子本は、パソコンの画面や小型の電子機器で読むことを前提にした本です。上の画面のように画面上に本のような形の物が表示され、ページめくリによって読み進めることができます。電子出版は、デスクトップ・パブリッシングによって紙の本を製版するデータを作ることも含むので、私たちは「電子本」と読んでいます。電子本は、画面で読むことを前提にしていますが、印刷して読むことも可能です。

電子本の種類

▼ ■ ▲

　電子本は、様々な種類があります。残念ながら各メーカーがシェアを競っている段階なので、様々なフォーマットがあるのが現状です。競走により主流から外れてしまったり、実験段階で失われたソフトウェアも存在します。ポシブル堂書店では、電子本として優れており、多くの利用者が共通に（無料で）利用できる電子本の種類を特に選んで提供できるようにしています。

　電子本を読むためには、それぞれのフォーマットに対応したブラウザソフトウェアが必要です。ここでは読書に必要なソフトウェアのダウンロード先をご紹介します。ソフトウェアの利用に必要な条件等は、リンク先のホームページをご覧下さい（リンク先は別ページで開きます）。

　読書に必要なブラウザソフトは、バージョンアップがございます。常に最新版を入手されるようご留意ください。アイコンをクリックすると各電子本の特徴をご覧になれます。

アイコン	電　子　本　の　種　類	ダウンロード
	エキスパンドブック（ebk） 　→ エキスパンドブックの使い方
	T-Time専用ファイル（ttz） 　→ T-Timeの使い方
	アクロバットファイル（pdf）
	HTMLファイル（htm、html）	お手持ちのインターネットブラウザでご覧下さい
	NewtonBookファイル（pkg）	Newton Message Pad っというPDA製品が必要です
	ローロピクトファイル（rop）

---

　ブラウザソフトについてのご質問は各ソフトウェアのメーカー担当者に
お問い合わせ下さい。

エキスパンドブック

▼ ■ ▲

　エキスパンドブックはオンスクリーンで読む電子本のもっとも代表的な電子出版フォーマットです。私設電子図書館「青空文庫」でも、基本フォーマットのひとつとして採用されており、『新潮文庫の100冊』など大手の商業作品も多数存在しています。

　アンチエイリアス技術によるなめらかな文字表示は、縦書き、ルビ表示など、紙の本における組版ルールの多くを実現しています。テキスト、画像、音声、動画、ウェブなどのさまざまな情報とのハイパーリンクが可能で、独自のプログラミング・スクリプトにより、条件分岐などの高度な制御を行なうことも可能です。

　エキスパンドブックを開くためには、あなたのパソコンに「ブックブラウザ」というソフトをインストールする必要があります。ブックブラウザはボイジャーのウェブページから自由にダウンロードできます。ブックブラウザがなくても、T-Time v2.0 以上なら、エキスパンドブックを開くことができます。ただしこの場合はテキストのみの表示になり、注釈リンクや画像などは無視されてしまいます。

　なお、シャープのザウルスMIシリーズでエキスパンドブックのテキストを表示させる文庫ビューワというソフトがあり、最近のザウルスではプリインストールされてます。文庫ビューワの元になったTTVというツールもウェブで公開されています。

T-Time

▼ ■ ▲

　TTZはT-Time専用ファイルです。T-Timeはエキスパンドブックをベースに開発されたオンスクリーン読書のためのソフトで、ページイメージによる表示、アンチエイリアス文字や縦書き表示、ルビ表示、マルチメディアやウェブのリンクといった特徴を受け継いでいます。TTZは、制作者が意図したレイアウト表現に加えて、読者が自由に書体や文字サイズ、縦書き横書きなどの表示に変更を加えることが可能です。通常のTTZは、ファイルを閉じると設定がもとどおりになりますから、制作者の意図したレイアウトに戻すことも簡単です。

　HTMLを拡張した独自のタグを使って記述されており、オンスクリーン読書に適したレイアウトやさまざまな仕掛けを組み込むことができるのも大きな特徴です。また、TTZは画面に表示されたイメージのとおりに印刷することができます（これはTTZ制作者が印刷を許可している場合に限られます。こういった自由な設定が可能なのも、TTZの特徴といえるでしょう）。TTZは独自の圧縮技術により、ファイルサイズを小さく抑えることができます。プレーンなテキストファイルと比べても容量を小さくすることができるので、ネットワークを通じたコンテンツ配信などに最適です。

　TTZを開くためには、あなたのパソコンに「T-Time」をインストールする必要があります。T-Timeは機能限定版がボイジャーのウェブページから自由にダウンロードできます。商品版は全国の書店で発売されていますが、ウェブで登録コードだけを購入して、機能限定版を商品版にすることも可能です。機能限定版はTTZファイルとエキスパンドブック（EBK）のテキスト部分のみが表示できますが、商品版はプレーンなテキストファイルやホームページで使われているHTML、一部のPDFファイルのテキスト部分の表示が可能になります。

アクロバット

▼ ■ ▲

　PDFはAdobeが開発した電子出版フォーマットで、紙に印刷したときの状態とほぼ同様のレイアウトを画面上に表示させることができます。
　PDFは印刷したときにその真価を発揮するフォーマットで、オンスクリーンで読むための電子出版よりも、電子ドキュメントの配布方法としてビジネス分野を中心に広く普及しています。最近ではパソコンソフトのマニュアルなどは、PDFファイルが採用されているものが多く、メーカー側の印刷コストの削減に役立っているようです（その反面、紙で読みたいユーザーは自分でプリントしなければならなくなりました）。また、リンクの埋め込みやメモの貼り付けなども可能で、ムービーなどのマルチメディアデータにも対応しています。
　PDFファイルを開くためには、あなたのパソコンに「Acrobat Reader」というソフトをインストールする必要があります。ブックブラウザはAdobeのウェブページから自由にダウンロードできます。

　T-Time v2.0 は、PDFファイルのテキスト部分のみを表示させることが可能になりました。しかし、ファイルによっては表示がズレるなど、まだまだ不安定な部分もあります。

NewtonBook

▼ ■ ▲

　NewtonBookは、Appleが開発したNewton OSマシン（MessagePadやeMateなど）で読むことのできる、Newton専用の電子出版フォーマットです。拡張子のpkgは、Newtonに組み込まれるファイルすべてに共通しており、NewtonBook専用の拡張子は存在しません。Newton OSはインストールされたファイルの種類を自動的に識別できるため、ユーザーは意識する必要がありません。

　使い勝手としては、ページイメージを切り替えて表示させるなど、エキスパンドブックに非常によく似ています。ページ番号をペンで入力してページジャンプしたり、本文のテキストを検索することもできます。テキストと画像の両方が扱え、テキスト部分については、ペンで選択して、他のソフトにコピーして活用することもできます。また、画面に直接ペンで書き込めるのも大きな特徴といえるでしょう。独自のスクリプトを持っており、Newtonプログラミングの知識があれば、かなり複雑なブックを作ることも可能です。

　NewtonBookは仕様が公開されているため、NewtonBookを作成するツールもたくさんあります。NewtonPressのような専用のソフト、Newton用ソフトを開発するためのNewtonToolKitなどがあります。Newton用ウェブブラウザのNewt'sCapeでは、HTMLファイルをNewtonBookに変換することができます。

　NewtonBookを読むためには、特別なソフトは必要ありません。Newton OSマシンには、NewtonBookを読むための仕組みがOSとともにROMに焼き込まれているからです。AppleはNewtonの開発を終了してしまいましたが、Newtonテクノロジーに魅了された人々は多く、いまでも新しいソフトや新作ブックが発表されています。

ローロピクト

▼ ■ ▲

　Roll O' Pict（ローロピクト）は、ホリーホックが開発した電子出版フォーマットで、主にコミックや写真集などの用途に向いています。本を意識した画面は、見開きのページメタファーを持っており、ページめくりの操作は「ページクリック」「右下スライドバー」「キーボードのスペースキー」の３種類が使えます。
　画面サイズは標準で13,17,19インチのモニタサイズが基準になっており、切り替えることによってページ画面の拡大縮小がおこなわれます。表示ウィンドウ自体は自由に大きさを変更できますが、その場合、ウィンドウの外側にはみ出した部分についてはスクロールさせて見ることになります。
　Roll O' Pictでブック（ROPファイル）は作成する際、パスワードの設定が可能です。また、データは内部で暗号化されるなど、著作権の安全性についても配慮されています。
　Roll O' Pictはシェアウェアですが、アプリケーション自体に作成と読書の両方の機能が組み込まれており、「読書に限って」は無料で利用することができます。また、シェアフィーを払ってユーザー登録しなくても、８ページまでのブックならお試し作成が可能です。単独でパッケージ販売はされておらず、販売はオンラインのみ。シェアフィーは2,800円です。作成したブックの配布に関しては、特定のクレジットを挿入する必要もなく、ライセンス料は一切発生しません。自由に配布が可能です。
　マック版とウィンドウズ版の両方があり、ROPファイルは両方のＯＳで表示が可能なハイブリッド仕様になっています。
　なお、Roll O' Pict を使用するためには、QuickTime3.0 以降のインストールが必要です。